おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

The Beach Boys / Pet Sounds

音楽メディアが出してる名盤ランキングのトップは大抵ビーチボーイズの「ペットサウンズ」かビートルズの「サージェント・ペパーズ」で相場が決まっている
「ラバーソウル」→「ペットサウンズ」→「サージェント・ペパーズ」の順に影響を受けてるのはロック検定の基本ですね
ビーチボーイズビートルズの最大の違いは、そもそも全部ブライアン・ウィルソンがやっているからバンドとしての比較にならない点にある
逆に言うと1人でこんなアルバム作ったブライアンの才能が異常な訳で
そんな彼が薬漬けであばばな状態で作り上げたのが「ペットサウンズ」であり、以降は発狂したと噂されながら数十年間姿を消すことになる
そもそも彼はサーフロックを作りながらもサーフィンが出来ずに家で引き篭もっている男である
また、彼は父親から日常的な虐待を受けておりヒット曲を出すことを強要されるプレッシャーの中で作ったのが本作なのだ
本作がモノラルなのはその父親に殴られたことで片耳が聞こえないからだったりもする
だからこそ「ペットサウンズ」はどこまでもポップなのにどこまでも悲しい
ポップスとは大衆音楽の意味であり、常にポップスであり続けることができるならそれは普遍ということなのだろう

Wouldn't it be nice

「君とずっといれたら素敵じゃないか」と歌いながらも、そんな事があり得ないと知っているからこそ胸が痛む
 

究極のポップアルバム
20世紀最大の作品
ただ、アレンジが独特なんで受け付けない人がいるのも理解できる
現代の方が正当に評価できるな、これ
微塵も古さを感じさせない普遍的な音楽
ブライアン・ウィルソンの心の痛みが美しいメロディーの奥から伝わってくる
泣くがいい。声をあげて泣くがいい。
山下達郎が書いた日本盤のライナーも異様に詳しく力作
「素敵じゃないか」「神のみぞ知る」といった全ての曲が完璧でどれも素敵じゃないか