おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

安部公房「水中都市・デンドロカカリヤ」

あんまり人間性を阻害されるとデンドロカカリヤになっちゃうよ!安部公房作品に漂う閉塞感、モノクロな情景を見ると昭和の作家だなと思う。ストーリーテリングは無国籍風なんだけどね。現実の不確かさ、個人の脆弱さには戦後の影が落ちているのかもしれない…

又吉直樹「火花」

持続するか分からないけど、少なくとも火花を書いた時の又吉直樹は天才だった。芸人が書いたという話題性抜きに素晴らしい本でした。努力が報われない、正しいことが通らない、かもしれない。それは青年期を通して誰もが学ぶことだと思う。あれほどあったは…

レイ・ブラッドベリ「刺青の男」

刺青が語り出すって設定はコンセプト勝ちですな。あらすじ暑い昼下がりにもかかわらず、その男はシャツのボタンを胸元から手首まできっちりとかけていた。彼は、全身に彫った18の刺青を隠していたのだ。夜になり、月光を浴びると刺青の絵は動きだして、18の…