おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

海猫沢めろん「左巻キ式ラストリゾート」

あらすじ目覚めた僕は記憶を無くし、12人の少女たちが暮らす見知らぬ学園にいた。僕の覚醒と時を同じくし、外部を喪失した学園では、トーチイーターと名乗る犯人による強姦事件が連鎖的に起こる。次々と餌食になる少女たち。犯人は誰なのか、この閉鎖された…

高遠るい「CYNTHIA THE MISSION」

後半になるほどバキに人を殴れば骨が折れるし血も流れる それは女の子でも当たり前のことだ その当たり前の描写が半ばタブー視されているのが日本社会だと思う だからこそ血みどろでズタボロになって闘うシンシア達の姿は鮮烈な印象を放つ少女たちが暴力を選…

ヤン・シュヴァンクマイエル「アリス」

“シュヴァンクマイエルの”アリスなので注意が必要 当然、原作通りには進みません 常に付きまとう死のイメージが見る側の不安をかき立てて異なった印象を与えている 「食事という行為」に対し嫌悪感を催させる描写が挿入されるのもお約束 でもねー本来のアリ…

寺山修司「書を捨てよ、町へ出よう」

評論のような詩集のような本でない本 寺山修司の空想はあらゆるものを縦断して現実を切り出していく その底にあるのは無頼の思想であり、本作は一点破壊による現代社会へのカウンターなのだ 「自殺入門」が中々に含蓄あるね 何を撃つの?と少女が訪ねた。 太…

ハーラン・エリスン「世界の中心で愛を叫んだけもの」

傑作短編集 基本的にエログロの手法で書かれているけど、著者の主眼は人間性を浮彫りにする事に置かれているので再読に耐える そこまで捻ってない話もあるけどね 軽めの話はTV脚本用に作ったんじゃないかと思ったり 表題作はパンドラの箱を作った側の視点か…

女の子ものがたり

西原理恵子の冷静な現実認識…地方の貧困家庭の閉塞感が非常に上手く撮られてる チンピラと結婚して、DV振るわれて、崩壊家庭になるのが分かっていながら親と同じ道を進んでしまうというアレね袋小路に陥りやすい環境というのは存在するのだ その外側からの視…

村上春樹「海辺のカフカ」

四国の図書館に着いたカフカ少年が出会ったのは、30年前のヒットソング、夏の海辺の少年の絵、15歳の美しい少女――。一方、猫と交流ができる老人ナカタさんも、ホシノ青年に助けられながら旅を続ける。〈入り口の石〉を見つけだし、世界と世界が結びあわされ…