米原万里「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」
1960年プラハ。マリ(著者)はソビエト学校で個性的な友達と先生に囲まれ刺激的な毎日を過ごしていた。30年後、東欧の激動で音信の途絶えた3人の親友を捜し当てたマリは、少女時代には知り得なかった真実に出会う!
なんか amazonでランキング1位になってたから読んだ。ロシアがきな臭くなってきたからだろうか。
今となっては懐かしい冷戦下の日常が語られています。
米原さんは倫理的な人で、社会主義にありがちな2重思考に対し厳しい目を向けている。その矛先は党の中で特権を享受する友人やその家族にも向かいます。
そうやって衝突も辞さない姿勢が幹部の口から「後悔している」という言葉を引き出した訳で、ジャーナリズムのあるべき姿だと思う。
良書。
労働者農民の解放を説いたレーニン自身が、実は生涯に一度も自らの労働で自分の生活を支えるという生活者の経験を持たなかった