おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

男たちの挽歌



ストーリー
香港マフィアの幹部、ホーは闘病中の父と学生である弟キットの面倒を見ていたが弟が警官になる希望を持っていることで病床の父から足を洗うよう頼まれる。了解したホーは次回の台湾への贋札の取り引きを最後に闇社会から足を洗おうと決意。しかし取り引きは密告によって警察に知られており、同行した後輩シンを逃し、ホーは自首することになる。その間、香港では父が陰謀によって殺され、そのことでキットは尊敬する兄が香港マフィアと知る。 一方、ホーの親友マークは報復のために乗り込んだレストランで敵を皆殺しにしたものの、足を負傷するというアクシデントに見舞われる。
数年後、ホーは出所するが今では警察官になり結婚もしているキットから父親の死の責任とマフィアの兄を持つことから出世の出来ない不満をぶつけられたうえ追い出され、親友マークは怪我で自由の利かない体になったことから雑用以下の扱いを受けるほど落ちぶれていた。そして元は後輩だったシンがマフィアで権力を握るようになっていた。
ホーは弟と和解するためにも堅気となり穏やかに暮らそうとするが、周りはそんな彼を放ってはおかなかった。マークは現状を変えるために協力を求め、シンも自分に力を貸すよう強要する。しかしシンは自分の敵となる人物たちの粛清を始め、その手始めに組長が殺された。現状を知ったホーは弟との絆、親友との友情のためにマークと共に銃を手に取る。

ジョン・ウーの最高傑作として挙げられる事も多い「男たちの挽歌」である
この監督はとにかく過剰で、全てのシーンが一々あざとい盛り上がりを見せるんですよね
2丁拳銃撃ちまくったり、男キャラがボロボロ泣き出したり、どう見ても致命傷でも根性で動き続けたりと
その辺りの映画的なダイナミズムは今の日本映画が失った物の気もします

恥じて生きるより、熱く死ね!


香港ノワールの傑作
一人一人の男たちの生き様が痛いほどに伝わってくる
西洋でも東洋でもない特殊な地域だからこそ、ここまでスタイリッシュな作品ができたのだろう
ジョン・ウー美学の全て


ルンさんが可哀想すぎる…
しかし、彼が立ち上がってからの血で血を洗う抗争にはアドレナリンが噴き出すのだ
マーク2の絡み方が強引なのが大陸的な大らかさですね
前作ほどの深みはないが良質な娯楽作


挽歌シリーズ最終章
1の前日譚になっており、舞台もベトナムが中心なので番外編の趣がある
主人公を初めてマーク一人に据えたのも毛並みが違うしね
893映画からは離れたが不器用な男たちが同じ女を巡ってぶつかる展開は燃えるぜ
陥落するサイゴン、降ろされる国旗を背景に去っていく最後の場面はロマンチシズムの極みだろう