おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

シャーリイ・ジャクスン「処刑人」



全ての女はメンヘラである/あった。
モラトリアムに多額を費やし、与えられた家庭に不満を垂れ、意味もなく周囲と諍いを起こす。
そんな未熟な自意識は少女を破滅の淵へと導いていく。

頭が良いジャクスンは女の業を自覚し受け入れていたんだろう。
一読しただけでは気づかない徴を随所に配置し物語らしき何かを構成する、
読書というには異質な体験をもたらす手腕は秘蹟という他ない。
最後の魔女による堂々たる魔術。