おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

シャーリイ・ジャクスン「なんでもない一日 」


あらすじ
家に出没するネズミを退治するため、罠を買うようにと妻に命じた夫が目にする光景とは…ぞっとする終幕が待ち受ける「ネズミ」。謎の追跡者から逃れようと都市を彷徨う女の姿を描く、美しい悪夢の結晶のごとき一編「逢瀬」。犯罪実話風の発端から、思わぬ方向へと話がねじれる「行方不明の少女」など、悪意と妄念、恐怖と哄笑が彩る23編にエッセイ5編を付す。

全俺待望のジャクスン翻訳。
今回の目玉は「なんでもない日にピーナツを持って」でしょう。これは「くじ」レベルの傑作で、悪意の深さでは超えているかもしれない。
本国では国語教材として使用され多くの議論がなされているとか。神様ごっこを描いているのだと個人的には思ってる。
勝手に作者像を基地外だと考えていたんだけど、今回収録された子育てエッセイを読むに割と普通のお母さんだったのかもしれません。
この人は本物の天才で、まだまだ入手困難な傑作があるようなのでこの機に全て訳出してほしい。
つーか入れ替わるように「くじ」が絶版になってるんですけど再販してくれませんかね。