おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

読書

ロバート・A. ハインライン「月は無慈悲な夜の女王」

新装版の表紙が異様に格好いい。あらすじ2076年7月4日、圧政に苦しむ月世界植民地は、地球政府に対し独立を宣言した!流刑地として、また資源豊かな植民地として、月は地球から一方的に搾取されつづけてきた。革命の先頭に立ったのはコンピュータ技術者マニー…

岩明均「寄生獣」

あらすじ他の動物の頭に寄生して神経を支配する寄生生物。高校生・新一と誤って彼の右手に寄生したミギーは互いの命を守るため、人間を食べる他の寄生生物と戦い始めた。小学生だった時分に読んで物凄い衝撃を受けたものです スプラッタ描写が多いんだけど、…

アンナ・カヴァン「氷」

絶対の終末へあらすじ異常な寒波のなか、夜道に迷いながら、私は少女の家へと車を走らせた。地球規模の気象変動により、氷が全世界を覆いつくそうとしていた。やがて姿を消した少女を追って、某独裁国家に潜入した私は、要塞のような「高い館」で、絶対的な…

鶴田謙二「Spirit of Wonder」

あらすじタイムマシン、水没都市、エーテル航行、ミクロ宇宙、そして魅力的なマッドサイエンティストたち。あまたのSF作品たちへの愛を種火に、詩的なストーリーと愛すべき人間たちを、圧倒的な画力で描いたSF短編集鶴田は極端に寡作なのでファンになると死…

大沢在昌 他「小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所 」

執筆陣が推理作家なので両津の造形が硬派な初期に近い最近の原作と比べると違和感があるかもね今野敏「キング・タイガー」が作中世界の神としての両津を完璧に表現している傑作でした

森見登美彦「新釈 走れメロス」

駄目ロス

最新短期金融市場の基本とカラクリがよーくわかる本

日銀の成り立ちと役割にかなりのページが割かれていて初歩から入りやすい 基本的に無担保コールオーバーナイト・レートに拠って金利は決定するので、そこら辺のプロセスを理解する事は重要である 従来の公定歩合操作からそちらの方に主軸が移っているという…

荒木飛呂彦「死刑執行中 脱獄進行中」

この吉良さん生き生きしてない?鬼才・荒木の短編集 「岸辺露伴は動かない」が短い中にアイデア満載で、ジョジョとは違った魅力がある傑作 その後の吉良を描いた「デッドマンズQ」もよく出来ているね

荒木飛呂彦・鬼窪浩久「変人偏屈列伝」

みんなマジキチあらすじ天才発明家、異能の大リーガー、稀代の興行師…数奇な運命を辿った愛すべき変人偏屈たちの力強い足跡を、荒木飛呂彦が尊敬の念をもって描く人気シリーズ、内容に相応しい豪華装丁で単行本化ッ!!荒木とその弟子が描く変人偏屈絵巻 エジ…

ヒルトン「チップス先生さようなら」

孤独なおじさんの記録。定年後も学校に現れ子供に遊んでもらう姿は涙を誘う。あらすじ霧深い夕暮れ、暖炉の前に坐ったチップス先生の胸に去来するのはブルックフィールド中学での六十余年にわたる楽しい思い出……。古きよき教師の姿というんですかね。派手な…

中原中也「汚れつちまつた悲しみに…」

『山羊の歌』と『在りし日の歌』が収録されているお得な本 早世の詩人として知られる様に、30年の生涯で残した作品は多いとは言えない 年相応に若々しい表現が印象的だった 「地平の果てに蒸気が立つて、世の亡ぶ、兆しのやうだつた。」

レイ・ブラッドベリ「華氏451度」

リベリオンってもろにこれだよな~あらすじ焚書官モンターグの仕事は、世界が禁じている“本”を見つけて焼き払うことだった。本は忌むべき禁制品とされていたのだ。人々は耳にはめた超小型ラジオや大画面テレビを通して与えられるものを無条件に受けいれ、本…

洋泉社MOOK「ダークサイド・オブ・ザ・ロック」

北欧ブラックメタルの項目が良かったですぞあらすじカート・コベインの猟銃自殺から、反キリストの寵児マリリン・マンソン、ギャングスタ・ラップLA×NY仁義なき抗争まで、セックス、ドラッグ、そして暴力…。ロックの闇の世界を深く紹介する。ロック死人リス…

ウィリアム・ホープ・ホジスン「ナイトランド」

大抵のことはディスコスを回転させると解決する。あらすじ百万年後の滅びゆく地球。絶滅の危機を逃れた人類が暮らすピラミッドの外界は、巨大な怪物が闊歩する「ナイトランド」だった。H・P・ラヴクラフトやC・S・ルイスが絶賛した20世紀イギリスを代表する…

大塚英志「少女たちの「かわいい」天皇 サブカルチャー天皇論」

大塚の文章って多分に感覚的だよな~あらすじ昭和天皇の死の直後、皇居に集い「天皇ってかわいいね」と呟いた少女たち。社会から疎外された「私」を「天皇」に重ね合わせた彼女たちは「ぷちナショナリズム」の最初の姿だったのか。大塚英志の実質的な論壇デ…

大塚英志「定本 物語消費論」

かつてのオタクの聖典あらすじ1980年代の終わりに、子供たちは「ビックリマンチョコレート」のシールを集め、「人面犬」などの都市伝説に熱狂した。それは、消費者が商品の作り手が作り出した物語に満足できず、消費者自らの手で物語を作り上げる時代の予兆…

西尾維新「刀語」

00年代初頭、それは西尾バブルであったあらすじ伝説の刀鍛冶、四季崎記紀(しきざききき)がその人生を賭けて鍛えた12本の“刀”を求め、無刀の剣士・鑢七花(やすりしちか)と美貌の奇策士・とがめが征く!刀語(カタナガタリ)、第1話の対戦相手は真庭忍軍十…

筒井康隆「幻想の未来」

ちょっと幼年期の終わりぽいディストピア小説と思わせといてコスモスケールに着地するという名品。筒井という才能の巨大さはクラークやら海外勢にも負けておりませんな。「ふたりの印度人」の不条理、「時の女神」のジュブナイル(?)が サラッと書けるのは…

倉橋由美子「聖少女」

むしろ性少女あらすじ交通事故で記憶を喪った未紀が、事故前に綴っていたノート。そこには「パパ」を異性として恋した少女の、妖しく狂おしい陶酔が濃密に描かれていた。ノートを託された未紀の婚約者Kは、内容の真偽を確かめようとするが……。「パパ」と未紀…

三浦綾子「続 氷点」

上巻人間の業の深さを突きつけられる作品 登場人物は其々に問題を抱えており一筋縄ではいかない 他者の悪い点にばかり目が行って良い点を忘れがちなのは残念なことである下巻贖罪をテーマに物語は終息する人は罪を償い得ないが故に原罪を持つということだか…

本宮ひろ志「まだ、生きてる…」

あらすじ定年を迎えた60歳の元サラリーマン岡田憲三が家に帰ると家族が消えていた。妻は全財産を持ち逃げし、息子や娘は音信不通に…。38年間こつこつと家族のために働いて来た男に向けられたこの仕打ち…。生きることに未練も希望も失くした岡田憲三は、自ら6…

アーサー・C・クラーク「幼年期の終わり」

たまげたなああらすじ地球上空に、突如として現れた巨大な宇宙船。オーヴァーロード(最高君主)と呼ばれる異星人は姿を見せることなく人類を統治し、平和で理想的な社会をもたらした。彼らの真の目的とはなにか?異星人との遭遇によって新たな道を歩み始める人…

ジョージ・ゲイロード・シンプソン「恐竜と生きた男」

白亜紀の孤独なおじさんあらすじ未来人サム・マグルーダーは、時間理論の実験中の事故により、白亜紀の時代にたった一人で放り出される。偶然の事故なので、誰かが救出に来ることなどあり得ない。しかも時代は8000万年前の白亜紀、はるか未来にならなければ…

シェイクスピア「十二夜」

教養を強化しよう週間あらすじ難破船から生き残ったヴァイオラは身を守るため男装して公爵に仕える。公爵の恋の使いで伯爵令嬢を訪れれば、何と彼女は男装のヴァイオラに一目惚れ。ヴァイオラは公爵が好きなのに…。この全員片思い状態、どうなる?十二夜。そ…

円城塔「Self-Reference ENGINE」

あらすじ彼女のこめかみには弾丸が埋まっていて、我が家に伝わる箱は、どこかの方向に毎年一度だけ倒される。老教授の最終講義は鯰文書の謎を解き明かし、床下からは大量のフロイトが出現する。そして小さく白い可憐な靴下は異形の巨大石像へと挑みかかり、…

R. エンリコ「コーラ戦争に勝った! ペプシ社長が明かすマーケティングのすべて」

あらすじ1985年、コカ・コーラ社はアメリカそのものと言われた原液の調合を変更した。そして3カ月後、消費者の批難の嵐の中で、従来のものを再び市場に戻した。ビジネス史上に残るこの誤算は、ペプシが執拗に繰り拡げた挑戦がもたらしたと言われる。本書は、…

スティーヴン・キング「IT」

どれだけ多くのピエロ恐怖症を生み出したことか… キング作品に見られる要素の全てが詰まった集大成な作品 子供達の友情が、通過儀礼としての試練が、そして恐怖の全てが描かれる 少年時代編と大人編が同時進行する作りになっており各々がリンクするのが面白…

平野啓一郎「日蝕」

これはこれで小説でしか表現できないのでは。あらすじ錬金術の秘蹟、金色に輝く両性具有者(アンドロギュノス)、崩れゆく中世キリスト教世界を貫く異界の光……。華麗な筆致と壮大な文学的探求で、芥川賞を当時最年少受賞した衝撃のデビュー作「日蝕」解説の四…

水野敬也「夢をかなえるゾウ」

有名な自己啓発本からいい所を見繕った感じあらすじ「お前なぁ、このままやと2000%成功でけへんで」ダメダメなサラリーマンの前に突然現れた関西弁を喋るゾウの姿をした神様“ガネーシャ”。成功するために教えられたことは「靴をみがく」とか「コンビニで募金…

ドストエフスキー「白夜」

孤独なおじさんに訪れる悲劇に胸が痛んだ 幻影は白夜の中に消えるのです