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おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

早川義夫「ぼくは本屋のおやじさん」


22歳(1969年)ロックグループをやめ、小さな書店を始めた著者の奮闘記。置きたい本が入荷しない小さな店のもどかしさ。冊子『読書手帖』を作って客とふれあい、書店主同士で通信を作り交流。再び歌手を始めるまでの22年間で学んだ大切なこととは。文庫化にあたり、エッセイ8本と「早川書店」のブックカバー等を収録(絵=藤原マキ)。

本屋さんてどんな感じなんかな~と思ってたんですけど割と大変そうでした。
出版流通には再販制度があって、店舗ごとの裁量が限定されるんですよね。何を仕入れるかもままならない。
それが業界を守ってた側面はあるんだけど、今現在、個人書店が風前の灯火な時点でやっぱ間違ってたんだよ。
流石に今は改善している部分もあると思いたいです。
本屋って幻想を抱きがちな場所だけど、商売としてやってる以上は煩わしいことばかりなんだよ。
このエッセイはそんな事柄を淡々と書いてるんだけど、それでも最後、お店しめる時に堰を切ったように泣いてしまうところ本当に胸を動かされました。
それはきっと働くことの感動なんだろう。

本屋での「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」の世界にも感動はあったのだ 。小説や映画やステージの上だけに感動があるのではない。こうした何でもない日常の世界に、それは、目に見えないくらいの小さな感動なのだが、毎日積み重なっていたのだということを僕は閉店の日にお客さんから学んだ。