おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

伊藤計劃・円城塔「屍者の帝国」


あらすじ
19世紀末―かのヴィクター・フランケンシュタインによるクリーチャー創造から約100年、その技術は全欧に拡散し、いまや「屍者」たちは労働用から軍事用まで幅広く活用されていた。英国諜報員ジョン・ワトソンは密命を受け軍医としてボンベイに渡り、アフガニスタン奥地へ向かう。目指すは、「屍者の王国」

割とメタ構造なオチでした。
情報=言葉が意識を生み、やがて実体を顕現させるということ。
それは読書という行為が存在しないはずの現実を立ち上がらせる様と被ります。
更に言うと、僅か30ページの原稿から喪われた伊藤計劃を掬い上げるという本書の試みも意味している。
死を越えて伊藤計劃を存在させ得る、それが小説の力なのです。

ありがとう。
今、わたしは目を開く。