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おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

倉橋由美子「パルタイ」

圧倒的な才能


あらすじ
前衛党入党から離反までを、不毛な性愛の日々に重ね、内的手法で描いたデビュー作「パルタイ」以降、日本の文学風土から自由な、徹底した虚構を追究。そこからは、イメージの豊饒さと方法意識に貫かれた<反世界>が現れる。

日本の現代文学において女流作家=私小説の印象が強いのだけど、倉橋由美子は色々と超越している。
繰り返し現れる排泄描写のように「生命活動に対する生理的嫌悪感」が主題としてある一方で、それを描くために共産党・国体批判までが用いられるという特異性。
本来言語化できない深さにある自身の内面を禁忌まで引き合いに出し表現しようとする姿勢には病的な潔癖さがある。
徹底して自己であるということ、手段を問わず自己を理解しようとすること、それが倉橋由美子の生き方なのでしょう。
 
だがいずれにしてもあなたがたはなんらかの神なしにはやっていけないだろう。あなたがたは羊飼いなしではやっていけない羊の群れだ。