おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

パトリシア・ハイスミス「風に吹かれて」


あらすじ
一度も活字になったことのない本を十四冊書いた男の生涯を追った「頭のなかで小説を書いた男」。庭の池にはびこる蔓草の恐怖を活写した「池」。わからず屋の隣人に殺意を抱いた冷徹な男の犯行とその皮肉な結末を描いた「風に吹かれて」。救いのない結婚生活の悲劇を乾いた目で見つめた「またあの夜明けがくる」。そして蝋人形館の魅力にとりつかれ、血まみれの惨劇をひきおこした若者の物語「ウッドロウ・ウィルソンのネクタイ」など、多様なテーマで人間の存在に迫るハイスミス中期の傑作短編集。

この作家さん大物なんだけどちゃんと評価されてないんだよね。
あらすじだけで分かるようにSF・ホラー・ミステリ・純文なんでも御座れな器用さが仇になってる。
どの話にも通底しているのは「人と人の仲はうまくいかない」 という彼女の思想で、ある意味ぶれてないんだけども。
異色作家短編集に入れると輝く珠玉の作品集だと思います。