おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

Stereolab

20世紀から21世紀音楽への移行の一つは音響派の台頭だったような
ただ、音響派ってジャンルで括れるほど実態がないのが本当のところじゃないのって思う
「折角技術が進んできたから、演奏後の編集作業に力を入れましょう」ってのが大まかな出発点だし、極論すれば「何を聴かせるか」から「どう聴かせるか」への姿勢の違いでしかない
それって楽曲の良し悪しとはまた違うと思うんですよね

そこでStereolabである
彼らの音楽は延々と反復する、それはまさに音響派である
しかし土台がフレンチポップなりビーチボーイズ的なものだったりするので単純に楽曲として良いなあと

Cybele's Reverie


The Free Design


ポストロックの第一人者
いわゆるステレオラブの音はこの作品で既に完成している
「Cybele's Reverie」の中盤のストリングスは秀逸
オシャレで耳馴染みが良く、渋谷系なんかに分類されることもあるがそんな生易しい物じゃない
寺山修司の実験映画「トマトケチャップ皇帝」から採られたタイトル通り本質は相当アバンギャルド


温もりを感じるエレクトロニカ
フレンチポップの要素も上手く溶け込んでいる
ループするメロディーは一音一音が水滴の様に広がる
故メアリー嬢の声も優しい
やってる事は複雑で実験的なのにオサレに仕上がっている


この時期までが最も充実してたと思う
今回はジャズ色が出ていて、アナログ感が強調されている
レコードを聴いてるみたいだ
肉感的で機械的
どこまでもレトロで、どこまでも未来な音空間