おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

Rush

YYZ


日本における四大プログレキング・クリムゾン、イエス、エマーソン・レイク&パーマーEL&P)、ピンク・フロイドとされ此れにジェネシスを加えて五大バンドとされる事もある
しかしながら世界ではこれにラッシュ(Rush)が加わります
プログレの定義は難しいが、音楽を総合芸術とするのが目的とする事が多い
アルバムを通して一つの作品とする物が多く、酷いのは一枚で一曲ってのもあった。
ラッシュはそうした中でも異色な存在で、そもそもツェッペリンのフォロワーから始まっている。
高い演奏技術を持っていた彼らはより複雑な曲を作るようになり「西暦2112年」「神々の戦い」といった大作を発表した
ただ、ラッシュが他のバンドと一線を画すのは80年代に入ってからの中期ですね
高度化しすぎ聴衆が着いて行けなくなったプログレが自壊したのに対し、ラッシュは時代性を取り入れ5分以内という枠組みでプログレを組み立て得る唯一の存在となった。
そして現在に至るまで第一線で活躍しているのである
3人のみで演奏される神の如き演奏技術はこの世界でも随一だろう
特に要塞の様なドラムを自在に操るニール・パートは現在ドラマー世界ランキング一位に輝いている

Neil Peart drum solo
 
ニール「メロディー楽器のように打楽器を用いる」
お前は何を言っているんだ


邦題「新訳・神話大全」
ライブ盤
以前に出たライブ盤が「神話大全」だったのを受けている
カナダの至宝、トリオバンドの頂点
三人編成でプログレを演じ、常軌を逸した分厚い音作りを見せる
主に中期の曲を中心に選曲している
この時期は個人と社会の関係に焦点を当てた曲が多く自分は最も好きだ
「Rhythm Method」で7分以上のドラムソロが聴ける
一分の狂いもないパフォーマンスに圧倒される一枚


プログレの大物Rushの2枚組ベスト
中期位までの曲が収録されている
ZEPの影響が大きい初期から大作主義を経てポップ色の強い中期へと盛り沢山の内容
結構音楽性が変遷しているんだが、通して聴くとRushらしさという軸はぶれていないことが分かる
「西暦2112年」の文学性とかとても感心するね


結局のところ現在までプログレッシブであり続けたのはラッシュだけだった
往時を思わせる場面はあるがそれに留まらずモダンロックに消化する手腕が凄まじい
技術のひけらかしに走らずオーガニックな印象を受ける不思議な音像が広がる
「Armor & Sword」が傑作