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おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

カラマーゾフの兄弟を読み終わって

重厚長大という前評判に気後れしたものの、読んでみるとめっちゃエモかったです。
ドストエフスキーはちゃんとエンタメしてるのが良い。
2部構想で未完なのでストーリーの寓意が判然としきらないんですけど、以下私見。

・ストーリーラインは①ミーチャの受難②イリューシャの死の2本。特に②の方はサイドストーリーではなく柱の1つではないか。
・聖書、特にキリストの死がベースになっている。全編を通してキリスト教価値観での罪と愛が殊更に強調される。
・超自然的な現象、宗教的な奇跡は明確に否定される。心の在り方として信仰を定義。
・キリストと重なるようにしてミーチャとイリューシャは受難する。何を贖うのか、そもそも何かを贖わなければいけないのか再三に渡り議論される。2人は共に父親のために十字架を背負う。
・主人公アリョーシャが2人の犠牲に意味を見出したところで物語は幕を閉じる。結末に着目すると愛のための行動にこそ人間性=善性が現出すると読み取れる。罪のための犠牲ではなく、愛のための犠牲。他への思いやり、協調、そうした全て。

多分、作者は無償の愛を書きたかったんだよ。