おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

デイヴ・エガーズ「ザ・サークル」

どうしてこんなことに


あらすじ
世界最高のインターネット・カンパニー、サークル。広くて明るいキャンパス、一流のシェフを揃えた無料のカフェテリア、熱意ある社員たちが生み出す新技術―そこにないものはない。どんなことも可能だ。故郷での退屈な仕事を辞めてサークルに転職した二十四歳のメイは、才気あふれる同僚たちに囲まれて幸せな会社生活を送りはじめる。しかし、サークルで推奨されるソーシャルメディアでの活発な交流は、次第にメイの重荷になっていき…。

今そこにある危機を描くディストピア小説。
インターネットの前提にある「情報の共有は善である」という考えが行き着く先を思考実験している。
そもそも人間は全ての情報を受け止めきるようには出来てないんだよね。見たくないもの、知られたくないものは山ほどあるから。
誰だってGoProで老親のセックスを配信なんかしたくないだろ?
そうした意味で存在の根本に迫るスリリングな読書体験でした。
善悪ではなく人間の領分を超えることが幸せとは限らないんだよ。

革新主義が世界を覆す
世界が初めて体験する直接民主主義