デイヴィッド・アーモンド「肩胛骨は翼のなごり」
あらすじ
引っ越してきたばかりの家。古びたガレージの暗い陰で、ぼくは彼をみつけた。ほこりまみれでやせおとろえ、髪や肩にはアオバエの死骸が散らばっている。アスピリンやテイクアウトの中華料理、虫の死骸を食べ、ブラウンエールを飲む。誰も知らない不可思議な存在。彼はいったい何?命の不思議と生の喜びに満ちた、素晴らしい物語。カーネギー賞、ウィットブレッド賞受賞の傑作。
子どもたちは曖昧な時間を生きている。
そこで生と死は不安定で現実と空想は混じりあう。
大人になるにつれそうした時間は失われていくけれど、子どもの時間に立ち返らせる作品というのが稀に現れるものだ。
例えばシャーリイ・ジャクスン「ずっとお城で暮らしてる」、例えばキングの「IT」、例えば本書。
肩甲骨は、人間が天使だったときの翼のなごりだといわれている。いつかある日、またここから翼が生えてくるって