おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

希望の国

フィクションという性質から長島県としているだけで、ここで描かれるのは「今の福島」に他ならない。


あらすじ
園子温監督が原発事故をテーマに描くドラマ。東日本大震災から数年後、日本のとある町で震災が発生。それに続く原発事故により、隣り合う小野家と鈴木家は、一方は警戒区域に指定され、もう一方は避難区域外となり…。

福島原発を主題に明確なアティチュード打ち出して映画撮るというのは今必要なことだったと思うんですよね。
政府に対する不信感とか電力会社に対する苛立ちとか、そうゆうのは今だからこそ確としてあるけど、いつか忘れていってしまうから。
国だったり大企業だったり社会だったり、なにか訳のわからない大きなものに自分の人生をいじられてしまう悔しさ。
3・11を自分の経験として持つ人間にとって本作はフィクションなどではなく個人的な体験として受け止められるでしょう。
また、震災後に育った子にはあの空気感分からんだろうし、そうゆう人のためにも必要な映画だと思うのです。

追記
「危険区域なら逃げればいいじゃん」といった言説をよく耳にするのだけど、実際田舎暮らししてみると人間は土地に縛られるということが実感できます。土地というのは関係性の束なんですよ。
土地を捨て、今までの関係性を捨て、じゃあどこに逃げればいいの?