2013-06-10 筒井康隆「幻想の未来」 読書 ちょっと幼年期の終わりぽいディストピア小説と思わせといてコスモスケールに着地するという名品。筒井という才能の巨大さはクラークやら海外勢にも負けておりませんな。「ふたりの印度人」の不条理、「時の女神」のジュブナイル(?)が サラッと書けるのは世界でも筒井だけでしょう。「アフリカの血」にみられる生々しい表現手法は平成以降の文学がスポイルしてしまったもの。陸も、海も、しばらくは黙っていた。陸と海を包む大気は暖かかった。どちらも、感動していた。