おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

J・L・ボルヘス「伝奇集」


あらすじ
夢と現実のあわいに浮び上がる「迷宮」としての世界を描いて現代文学の最先端に位置するボルヘス(一八九九―一九八六).われわれ人間の生とは,他者の夢見ている幻に過ぎないのではないかと疑う「円環の廃墟」,宇宙の隠喩である図書館の物語「バベルの図書館」など,東西古今の神話や哲学を題材として精緻に織りなされた魅惑の短篇集. 

米文学は馴染みがなかったのですけどボルヘスはそんなに南米南米してなくて読みやすかったです。地名や人名は覚えにくいですけど。
解説にもあるように「迷路」が全体のテーマになっていて、物語構成がシンメトリックだったりと幾何学的でした。著者は語り口の方に意味を見出していたんじゃないでしょうか。
どの物語も寓話めいていて、読者の現実認識を揺さぶるようになっています。エンデに近い作風ですね。

「バベルの図書館」についての面白い考察⇒バベルの図書館を実現する方法 ( 実物つき )