おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

ニック・ケイヴ「神の御使い」


あらすじ
異端的狂言者たちの住む谷間で生まれた唖者ユークリッドが語る異常で暴力的で幻覚的で飢餓感にあふれた長篇。
 
この物語には神が溢れている。
キリスト教徒の神、ユクローレ教徒の神、ベスの信奉する神、そしてユークリッドが見出したナニか。
各人各様に世界から奇蹟の兆しを読み取り自分の信仰を作り上げている。
汚泥の中で、血溜まりの中で、狂気の中で。
そのどれもが迷妄状態で見た幻にすぎない、はずなのに。
終局にて予言が成就するに至り確かに何らかの神性が顕現してしまう。
神はただ存在するのだ。
傑作。

そして驢馬、 神の御使いを見