おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

平山夢明「独白するユニバーサル横メルカトル」


あらすじ
タクシー運転手である主人に長年仕えた一冊の道路地図帖。彼が語る、主人とその息子のおぞましい所行を端正な文体で綴り、日本推理作家協会賞を受賞した表題作。学校でいじめられ、家庭では義父の暴力に晒される少女が、絶望の果てに連続殺人鬼に救いを求める「無垢の祈り」。限りなく残酷でいて、静謐な美しさを湛える、ホラー小説史に燦然と輝く奇跡の作品集。

平山夢明の書く世界は悪意に満ちている
それは確かに印象的であるんだけど、エログロナンセンスがただ開陳されているだけという気もする
筒井康隆を引き合いに出されながらも部分的に留まるのは、物語の方向性が感じられないからだろう
そうした中で 
「怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男」においては肉体・精神の破壊という行為を通じ存在の本質に迫っており、表現者として一皮剥けたと感じた
ニコチン(笑)