おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

大江健三郎

大江健三郎は歪んでいる
政治思想・人間観といった全てにおいてだ
でも誰だって歪んだ部分はある訳で、そうした醜悪さも含めて小説の形に昇華しているのが彼の良い所


近年の執筆意外の活動でニュースに出るのは嫌な気分がするが、それはそうとして本作の価値は今後も減じるものではない
性的な感覚を持つ生々しい描写は独特で居心地が悪くなります
やっぱこの人の文章は図抜けてるなあと
「飼育」は外国人にも分かりやすいんだろうが「死者の奢り」の方が良く出来てると思う


「打ち捨てられた村で少年少女が共同生活する話」
こう書くとなんか青春小説に見えるのう
実際は、田舎こえーという話
主人公は逃げれたらいいなあ


「見るまえに跳べ」って題名が妙にしっくりくる
この短編集は明るい話が微塵も入ってないけど、読むと何故かやる気が出てくる


好きなんだが人気ないんかな
題名は「戦争」に遅れれてきた青年って意味
愛国少年だった世代の寄辺の無さが上手く捉えられてて、この焦りが作者自身の出発点なんだろうと思う