おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

Depeche Mode

Depeche Modeは現役最大のバンドの1つ
バンド名が「移りゆく流行」の意味なのは皮肉ですな
テクノ勃興期からシンセサウンドを取り入れたり、メタルパーカッションを導入することでインダストリアルの雛形を作ったり、と現在に至る影響力の大きさは計りしれない
同じ80sニューウェーブ出自のU2に比べると日本での知名度が異様に低いのが悩ましいです
歌詞とビジュアル面で反キリスト教・反社会色が濃いのが日本受けしない理由だろうと思われる
この「キリスト教的価値観に対する問いかけ」という姿勢は後のゴスに通じることに

Blasphemous Rumours


少女は16、未来はまだまだ
でも、人生に退屈して手首を切った
それが失敗に終わったことを神様に感謝しなくては
その小さな慈悲に

少女は18、全てを愛した
神を信じる道を見つけたから
でも結局、車にはねられ機械に繋がれて生きるようになる

少女が死んだ夏の日、涙が母親の頬を伝った
「私は冒涜的な噂なんて望みません
でも私が思うに、神様はユーモアの趣味が悪いみたい
私が死ぬ日も彼は笑ってる気がするの」

Enjoy The Silence


Precious



DMの方向性が固まった作品であり初期の重要作
まず絵画的なジャケットが美しいですね
内容の方も物悲し気なエレポップに仕上がっており、OMDみたいです
脱退したヴィンス・クラークに向けた「Leave In Silence」が泣ける


アメリカ進出の契機になったヒット作
「People Are People」といったコマーシャルな曲が収録されているんで入門者向けかも
「Master And Servant」「Blasphemous Rumours」のように物議を醸した曲も同居しているんで、彼らの暗黒面が開花し始めたと捉えるのも面白い


題名は黒ミサっぽいと思いきや「疲れる一日が終わったことに対する祝い」という前向きな意味だったりする
所々に入るコーラスが賛美歌ぽくて神秘的なムードを作り出しています
ミドルテンポの曲調で一貫していて落ち着いたアルバム
「Stripped」のPVが面白い


長いキャリアを通じて一般に代表作とされるアルバム
独自の美学が完成しており後続のバンドの指標となったのがよく分かる
ジャケットから内容まで一貫して壮大な世界観が流れています
双肩とされるニューオーダーの代表作「権力の美学」もまた花をモチーフにしたジャケットであり両方揃えると素敵

題材は十項目ある…
人間関係、束縛、欲望、愛、善、悪、近親相姦、罪、宗教、背徳


もろにオルタナ化した作品
時流に乗って全英全米1位の快挙を達成しました
ギターがぎゅんぎゅん唸っているのでNW期のファンは怒ったそうな
全体としてNINみたいだけれども、ゴスペル色を前に出したりとオリジネーターとしての挑戦は流石です
「In Your Room」とかシングル曲が非常に良い


本作の発表前、ボーカルのデイブ・ガーンは自殺を試みた後に蘇生しており、そのことから重苦しい作風になっている
何度も聞き返せるアルバムではないが、息が詰まりそうな緊張感の中を切々と歌い上げる様は感動します
「Home」でストリングスが入るところがクライマックスやね


異色作
このバンドで初めての歌物じゃなかろうか
プロデューサーの力もあってビヨークみたいになってる
バラード多めだけど簡単に聴き流せないクセがあるんですよね
従来と路線がかなり違うが傑作だよ、これ


相変わらず良いアルバムを出す
もう大御所中の大御所となったが未だ衰えを感じないのは凄い事だ
前作が問題作だっただけに今回はDMらしいDMの音作りをしている
「enjoy the silence」を偲ばせる「precious」を筆頭に、ファンなら誰でも楽しめる内容になっている


エレポップ期のシングルが纏めてある
ヨーロッパ的な洗練を感じさせる楽曲群
後半になると「Blaspemous Rumors」の様に独自の美意識の萌芽が見られるようになり興味深い
ポピュラー音楽にテクノロジーの導入を果たした業績は非常に大きい


この時期からオルタナの要素が入ってくる
捨てアルバムはないバンドだが多作なので、本作からが入りやすいだろう
全曲名曲