おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

アリス・シュローダー「スノーボール ウォーレン・バフェット伝」

「私は小さな雪の玉(スノーボール)をずいぶん若いときから固めた。10年遅く固めはじめたら、いまごろ山の斜面のずいぶん下にいただろう」

世界最高の投資家と名高いウォーレン・バフェットの自伝
氏の経営するバークシャー・ハサウェイ社は平均25%超の運用パフォーマンスという有り得ない実績で有名ですね
自身も2007年には世界長者番付1位にも輝いています
上下巻合わせて1000ページ超えるけど、現在最も興味深い人物なので頑張って読めば見える物もあるんじゃないですかね
ちなみに、スノーボールとは人生における複利の概念だったりする


バフェット本人が明かした伝記
世界一の投資家になるまでの道のりは順調なようで独特の苦難がある
家族関係が歪んで見えるしね
そもそも古き良きWASP像というのは幻想だったのではないかと思ったり
それは兎も角、バリュー投資の有用性は本作だけでも証明できるだろう


バークシャー・ハサウェイが世界最大の投資会社になるまでが描かれる
財界に留まらずその存在感が増すにつれ、種々の問題に直面しながらも一貫した価値観を貫く生き方が静かな感銘を呼ぶ
近年のビジネスマンの成功モデルとして非常に理想的であり、広く尊敬されるのも当然だろう
ソロモン~LTCM~インターネットバブルの一連の騒動はリーマンショックに連なる問題点を孕んでおり、氏の冷静な観察眼から得る所は大きいのではないだろうか