おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

三浦綾子「塩狩峠」

明治四十二年二月二十八日北海道、塩狩峠上において機関車の客車の最後尾の一台が連結器から離れて暴走する事故が起きた
ブレーキがきかず車内が騒然とする中、乗り合わせていた鉄道職員長野政雄は自ら線路上に身を投げ出しその命を持って客車を止めたと伝えられる
人が他者の為に人生を捧げられるというのは、泣ける話だなあと
 

あらすじ
結納のため札幌に向った鉄道職員永野信夫の乗った列車が、塩狩峠の頂上にさしかかった時、突然客車が離れ、暴走し始めた。声もなく恐怖に怯える乗客。信夫は飛びつくようにハンドブレーキに手をかけた…。明治末年、北海道旭川塩狩峠で、自らの命を犠牲にして大勢の乗客の命を救った一青年の、愛と信仰に貫かれた生涯を描き、人間存在の意味を問う長編小説。

自らの命と引き換えに大惨事を防いだ鉄道員の実話に基づいた物語
幼年期から丹念にその心の動きを描写することで、信仰に全てを捧げるに至る生涯が綴られる
宗教的な側面が強くて疑問に思う点もあったが、行動に示された人類愛は普遍性を持っていると思う
人生を見つめなおすに足る作品