おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

Alice in Chains

「牢獄のアリス」という不吉な名前を持ったこのバンドは所謂グランジの代表格とされています
しかし、シアトル出身という部分からの括りなのでそこを抜けばHMの音だなあというのが本当のところかと思ったり
ただ当時のメタルとも異なっていて、後のヘヴィロックと呼ばれる事になる音楽性を有していたのがオルタナ扱いされる原因だったのでしょう
このバンドの胆は時々入るアコースティックな感覚とレイン・ステイリーの呪術的なボーカルだったのですが、2002年4月5日に薬物の過剰摂取によってレインが亡くなってしまったのが残念でなりません
尚、この日が同郷の盟友カート・コバーンの命日だったのも色々考えさせられますね
世代として米国社会の病理を被ってしまった気がします
バンドは新ボーカルを起用して2009年に新譜を出しています

Would?


Man In The Box



シアトル勢の中で一足早く成功を納めた作品
この頃から粘りつく様に陰鬱な音楽性は変わらない
先入観無しで聴くとサバスの系譜にあるメタルに聴こえる
「Man in the box」は衝撃的だった


レインが正気を保っていた限界のアルバム
破滅を予感させる曲の数々が並ぶ
「病んだビートルズ」と形容されたメロディーの良さも随一
今に至るモダンヘヴィネスへの影響の大きさが伺える
「would?」はいつ聴いても感動する
稀有の才能


レイン・ステイリー最後の声
既にドラッグ禍に苛まれており前作程の力強さはない
それでも歌い続ける姿には言葉に出来ない重さを感じるのだ
アコースティックな楽曲が光るのも本作の特徴であり、その特性が完成していたのが分かります


新ボーカルを迎えての復帰作
ジェリーが多くを歌っているので違和感なく聴ける
後続バンドが溢れている今でも一聴して分かるサウンドなのはメロディーラインの強さ故ですね
不健康な感じが無くなってるのでレイン信者には物足りないかもしれません
独特の美しさを放つ「Your Decision」が素晴らしい