おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

複雑系―科学革命の震源地・サンタフェ研究所の天才たち

ライフゲームというプログラムがあります
http://wwwgeo.ees.hokudai.ac.jp/~ooba/dnl/lifegame.html
これは、非常に単純なルールの下でドットが発生したり消滅したりするだけのプログラムです
しかしながら、そこでは非常に複雑な構造が誕生し動き出すのです
そこからはある種の微生物に近い印象を受けるでしょう
この現象について、これこそが生命であるという議論があるそうです
即ち、生命とは何で成り立っているかでなく、何の構造を取るかであるという考えなのですね
本書を読んでそこら辺の認識が変わった気がします


複雑系についての入門書
線形から非線形へ、還元主義から統合への一連の流れがダイナミックに描かれる
かなりの大作であり話は経済・ニューロン・人工生命にまで及ぶ
自己組織化と創発についての言及が興味深かった
特に、生命の起源に迫る場面は感動的
この研究所は学際のあるべき姿を示していたと思う
知的好奇心を持つ全ての人におすすめしたい