おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

Siouxsie & the Banshees

アイドル崩れがパンクの格好するだけで「カッコいい」とか理解出来ない
何が「へいへいゆーゆー」だ

Siouxsie & the Bansheesが好きだった
ボーカルのスージー・スーは元ピストルズの親衛隊出身
ピストルズがTV出演の際に放送禁止用語連発したせいで殺到した抗議の電話に片っ端から「黙れこの〇〇〇〇野郎!」と言ったことでも有名な女性である
雨後の竹の子のように現れたパンク勢に混ざる事を嫌い、デビュー時期をあえて遅らせ、独特な死生観やリリカルな世界観を歌い独自の路線を築いてきた
これが現在に続くゴシック・ロックの誕生とされる
シド・ヴィシャスやキュアのロバスミが在籍した事もあり、オリジナル・パンクの核と言えるだろう
というかビリー・アイドルとかもこの辺から出てるんで、パンクはある種の小さな共同体からピストルズやらが枝分かれしていったと捉えるのが正しいんじゃないか
変にかつてのパンクが神格化される中で、最も再評価されるべき存在だと思います

SPELLBOUND


The Sweetest Chill


Israel

中東戦争時に「イスラエルにもクリスマスは来るのだろうか」と歌ったこの人は今見てもカッコいいと思う


邦題「呪々」
ゴスの代表的名盤のみならずニューウェーブ屈指の成果
パンクの産み落とした異形の到達点
題名まんまの「呪縛」や不思議なうねりを持つ「Into the Light」、暗く疾走する「罪深き心」といい初期スジバンの集大成になっている
本作でマクガフは80年代最高峰のギタープレイをみせアフリカンビートを意識したドラムと相まって非常に呪術的な響きがある
スージーの叫びも冴えている
メタル等とは違う根源的な重さと暗さ
これはまさしく呪い


「危険地域」のタイトルが示すように非常に緊張感に溢れたアルバム
ゴスの女王スージーの歌唱は冴え渡り、本作では初期衝動を過ぎ去り円熟味を増した曲作りに達している
「CANDYMAN」、「CITIES IN DUST」といった印象に残るナンバーが多く特に「THE SWEETEST CHILL」のメランコリックさは随一
自分の考えるゴスの完成形

 

初期の荒さは抜けしっとりと聞かせる曲調になっている

実験ポップ的な作品

スージー・スーの声はとても魅力的で佳曲揃いだ

Killing Jar」、「Rhapsody」がお気に入り

この頃からアメリカでもチャートに入るようになった


緩やかな衰退
彼らの中では一番ファンからの受けが悪い作品と思われる
でも独特のポップセンスが最も開花したアルバムなんじゃなかろうか
ミドルテンポの曲が多くダンスビートも導入したりと模索してた事が窺えて、現役であり続けようとする姿勢が好き
ヒットした「Kiss Them for Me」なんかは少しもゴスじゃないにしても「Little Sister」「Ghost in You」辺りは今も胸に残るものがある


邦題「恍惚」
バンドの長いキャリアにおけるラストアルバム
プロデューサーはVUのジョン・ケールだったりする
後期の不思議なポップ感覚を保持しながら偶にゴスっぽくなる
統一感は無いものの「O Baby」「Stargazer」「Love Out Me」といった曲は聴く価値がある
幾度かの路線変更はあったが、最後まで良質な作品を送り届けてくれた事に感謝したい
いつまでも世界で一番かっこいい女性はスージー・スーなのである


後期のシングル集
ロバスミが入ったり色々ありました
こうして聴くとゴスに留まらない多様な音楽性を持っていたことが明確に分かる
「Dazzle」の緊張感とか好きな曲が多すぎて困る
サントラに入れられてた「Face To Face」が収録されているのも嬉しい
鮮やかでアートな楽曲の数々は今も自分の中で鳴り続けているのです


今になって出たソロアルバム
ここに来てアグレッシブに戻した点は評価したい
でも、どうしてもセヴェリンのベースとバッジーのドラムを期待してしまうんだよね
バンシーズ名義で新譜出して欲しい