おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

孤独のグルメ

同人で出そうと思ってた「こどグル」評論のお蔵だし
ちょっと古い

【はじめに】
孤独のグルメ」とは
94年から96年にかけて連載されていた原作・久住昌之、作画・谷口ジローによる漫画である。全1巻で全18+特別編1話で構成されている。ネットを中心に高い評価を受けている作品。中年のおっさんが一人寂し食べ歩く話。

 

【主要人物紹介】

井之頭五郎…主人公。貿易商を個人で営んでいる。祖父に古武術を叩き込まれている。食事に対する拘りは並大抵ではなく「モノを食べる時はね、誰にも邪魔されず自由で、なんというか救われてなきゃあダメなんだ、独り静かで豊かで…」の美学を持つ。後述する大山店長がこの美学に反した為アームロックをかけた。愛称ゴローちゃん

 

小雪…若き大女優。「わたしには何かを食べてる時間も落ちついてる時間もないのよ!!」の捨てゼリフを残し四年前のパリで五郎と破局した。

 

滝山淳太…作中で唯一人五郎に一目置かれた人物。同業と思われるが確定はしていない。劇中では苗字しか出てこないが、有志の手により雑誌連載版の煽りから名前が判明した。

 

ゲンちゃん…旅慣れている。五郎の目の前でジェットを買い、五郎にジェットへの興味を抱かせた男であり後に起こる悲劇の元凶。

 

ロクちゃん…大阪編に出るたこ焼き屋台の店主。「ハートはかわらんで。500万円」の謎のセリフを残す。店内は常連ばかりで閉鎖的である。

 

ノータコ…回転寿司屋の前で五郎とすれ違った中東系の男。連れと「生の魚大丈夫?」「ハイ トキドキOKデス」「タコは?」「タコ ノータコ タコハダメデス」と会話してる。

 

大山店長…オススメは大山ハンバーグランチ。かつて空手の実力者だったらしく店に若き日の勇姿を写した写真が飾られている。客の前で店員を叱責していた場面を五郎に咎められ逆上、制裁を試みて返り討ちにされる。

 

呉さん…大山バーグの店員。留学生であり「…しかし豆腐 あとひとつの半分しかなくて」の様に日本語がいま一つである。手際が悪くよく大山店長に叱責される。大山店長に技をかけ続ける五郎を「それ以上いけない」と制止した。後に五郎は「…あいつ…あの目」と思い起こしている。

 

松むら店主…五郎の雑炊の注文を無下に断った男。恰幅が良い。豆かん職人。


孤独のグルメスレ】

孤独のグルメスレは今現在29スレ目まで至っており本編の話数を越えている。そこには独特の文化が存在している。

 

基本…孤独のグルメは名ゼリフの宝庫で知られ基本的にセリフ改変で進行する。(例:新スレ!そういうのもあるのか!)

 

現場レポート…この作品はどれも実在の店をモデルにしているので五郎の注文を再現する事が可能である。定期的に自分が行った際の感想や写真をアップする輩が出てくる。

 

内容議論…五郎の食べた漬物に至るまで徹底して語り合う。メニューに記された値段と実際に払った金額との差異については諸説ある。正直、出尽くした感は否めない。

 

松村ループ説…「この煮込み雑炊をひとつください」 「あ、ごめんなさいそれ来月からなんですよ」の対話から永遠に提供する気はないのではないかという疑惑

 

ロクちゃん売人説…一見常連との談笑に見えるが薬の密売が行われておりハートはその隠語とされる。五郎が感じた疎外感は上手く説明される。

 

強さ議論厨…場が煮詰まった頃に現れる。「ヨシッ! 強さ議論としゃれこむか!」といった掛け声と共にランクが作られていく。主に滝山、ノータコ、呉さんが上位に来る

 

滝山厨…本スレにおける狂信者の集団。全ての話の背後に滝山の影を主張する。荒唐無稽な物から一理ある物まで玉石混合である。ゲンちゃんは手下とされる。

 

ノータコ厨…実力者として根強い支持層が存在する。テロ組織の親玉との説が一般的。しかしながら弱点がタコと判明しているため幾分か分がわるい。

 

呉厨…呉は秘めたる実力を持っており‘あの目’とは「この程度の豚なら何時でも殺れる、手を出すな」の意思表示だと主張する一団。穴馬。

 

愚弄厨…あまりにも本論から離れた時に登場する。「孤独のグルメを愚弄するかァァァッッ!!!」と怒る。元ネタは作画繋がりで「餓狼伝」中のセリフ

 

以上を繰り返しこのスレは延々とループしていく。近年は質の低いSS厨の流入が古参の怒りを買っており一刻も早い是正が望まれる。

【こどグルコラ】
この作品はネタ画像の豊富さも定評があり、なぜかゴローとシャーリーが恋仲とされることが多い。時折、異様に質が高い作品があるのも魅力である。

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美食マンガにおける一つの極
「料理」ではなく「食べる」という行為そのものに着目している
そこには人生があるのではなかろうか


食に関するエッセイ集
何とかいうか非常に安っぽい料理ばかりが出てくる
半分位は不味そうである
本書の肝はそうした外れ料理も生きる営みの一つとして捉える独特の感性にあると思う
ラーメンが期待外れだった位で死にたがるとか…
「生野菜定食、焼肉付き」がとても可笑しい
書き直しの「釜石の石割桜」や「雨漏りのコの字カウンター」、「死んだ杉浦日向子と飲む」、「おじいさんの夕餉」、「おはぎと兵隊」等々著者の人柄が偲ばれる温かくホロリとする話が多め
「こどグル」のオマージュも有るので好きだった人なら皆満足できるでしょう