おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

「家族八景」他

筒井康隆好きなんだよね
読めば分かるけど文学の形態を著しく逸脱しているのが実に変態的で
この作家のIQ180あるらしいが、紙一重の人やで

代表作とされる「エスパー七瀬」シリーズというのがあってだな
他者の心を読めるお手伝いさんが、一見平凡な家庭の闇を暴いていくストーリー仕立てになっている
相手のトラウマをえぐって発狂させる技が実にエグいのだ


「出たー、七瀬のマインドクラッシュだ!」
そんな話
何か違うけど
筒井は人間の醜さ書かせると凄いんです


前作が精神の闇に焦点を当てていたのに対し、本作はエスパー側の悲哀を書いている
これだけ展開がハードSFみたいである
中盤のワクワク感と最後の鬱ぶりの落差が激しい


前作の終わり方からどう続けるかと思ったら…
俺の七瀬に何しやがるんだ
今回はエディプス・コンプレックスをテーマにしていて気持ち悪い
それはともかく、このシリーズは其々まったく違ったアプローチを取っていて色々と考えさせられた