おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

4AD

耽美という言葉は何時の間にかBL的な用語になってしまったが、元々「倫理観から離れたところで美を追求する」という思想であり腐女子は自重すべきだろう
さて、音楽においては80年代英国に設立された4ADレーベルが耽美主義の中心地となっていた
アイヴォ・ワッツ=ラッセルをオーナーに据えた本レーベルは「自分が良いと思った音楽を世に出す」という信念が徹底していて、どう考えても商業的じゃないアーティストばかりと契約したため、どのバンドも独自の世界観を持っている
それこそゴスからシューゲイザーネオクラシカルの基礎が築かれており現代に至るまで多くのフォロワーを産み出し続けている
Bauhausの「暗闇の天使」、Cocteau Twinsの「神々が愛した女たち」、Dead Can Danceの「暮れゆく太陽の王国で」辺りは今でも再発を繰り返しており、当時ですら流行と無関係だったので今聴いても時代を感じさせません
また、所属アーティストのアート・ワークを自社のデザイナー集団「23 Envelope」に任せており統一感があるので集めるのが楽しいのも魅力の一つ
米国での活動が本格化すると4ADピクシーズを見出しオルタナムーブメントの先鞭となっていく ことになる
今現在でも新しい才能を発掘し続けておりインディーズの鑑と言えるでしょう

Bauhaus_InTheFlatField_cdCocteauTwinsTreasure 









DeadCanDance











以下マニアックなの


邦題「暗闇の舞踏会」
初期4ADのコンピ
BauhausやThe Theの中々に貴重な音源が入っている
Rema-Remaの歌い方は狂人ぽくて如何と思うが
この時期からレーベルとしての統一感があるのは流石
80年代のアングラ的な音楽が好きな人にはお買い得です


4ADが最初に契約したバンド
ネオサイケを根底にニューロマ的な要素も感じる
爽やかなギタポ「I Melt With You」の全米1位という予期せぬ成功から歯車がずれ失速してしまった
このレーベルにしてはアクが弱いので忘れられてしまったのだろう
正直今更聴き始める人がいるとは思えないが、埃を被ったままにさせておくには実に勿体無い
TMCにカバーされた初期のゴスい「Sixteen Days」から洗練されたストリングスの「Heart」等そう捨てたもんじゃない
エコバニとか好きなら買いだろう
何故か日本盤が出ている


ゴスの重要人物ニック・ケイヴが在籍していたバンド
後進に与えた影響は少なからずあったんじゃないかと
ノイジーなギターに呪術的なリズム、狂人の如きボーカル
「Cry」が非常に怪しくて宜しい
「くらぁぁぁぁぁぁあい」って本当に狂ってるんじゃないか
これ聴いてる人とは目を合わせちゃいけません