おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

レイ・ブラッドベリ「刺青の男」

刺青が語り出すって設定はコンセプト勝ちですな。


あらすじ
暑い昼下がりにもかかわらず、その男はシャツのボタンを胸元から手首まできっちりとかけていた。彼は、全身に彫った18の刺青を隠していたのだ。夜になり、月光を浴びると刺青の絵は動きだして、18の物語を紡ぎはじめた…。流星群のごとく宇宙空間に投げ出された男たちを描く「万華鏡」、ロケットにとりつかれた父親を息子の目から綴る「ロケット・マン」など、刺青が映しだす18篇を収録した、幻想と詩情に満ちた短篇集。

ブラッドベリって短編の作家だと思うんですよね。火星年代記にしても実質は連作な訳だし。
冗長にならない簡潔さで鮮やかに一編を切り出す手腕が秀逸。
紛らわしいんだけど本作には「ロケットマン」と「ロケット」が収録されていて、最後に配された「ロケット」が出色の出来でした。
夢があって心があって愛がある。読んでね!