おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

高野秀行「未来国家ブータン」

あらすじ
「雪男がいるんですよ」。現地研究者の言葉で迷わず著者はブータンへ飛んだ。政府公認のもと、生物資源探査と称して未確認生命体の取材をするうちに見えてきたのは、伝統的な知恵や信仰と最先端の環境・人権優先主義がミックスされた未来国家だった。世界でいちばん幸福と言われる国の秘密とは何か。そして目撃情報が多数寄せられる雪男の正体とはいったい―!?驚きと発見に満ちた辺境記。

ブータンという国はイメージが先行してるところがあるので実際現地に飛んだ著者の感想は中々タメになりました。
本書を読み終わる頃にはアジア的な素朴さとしたたかな国家戦略を備えた全貌が明らかになります。
正直、言うほど幸せな国ではない。
悲喜こもごもな顛末は起承転結がハッキリしている訳ではないけれど、旅行記の醍醐味を味わえる一冊でした。


教育水準が上がり経済的に余裕が出てくると、人生の選択肢が増え葛藤がはじまる。自分の決断に迷い、悩み、悔いる。不幸はそこに生まれる。