おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

ウンベルト・エーコ「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」


あらすじ
紙の本は、電子書籍に駆逐されてしまうのか?書物の歴史が直面している大きな転機について、博覧強記の老練愛書家が縦横無尽に語り合う。

まず言っておくのは非常に装丁が綺麗だということ。
テーマがテーマなだけに紙の本としての矜持を感じさせる作りになっている。
小口を染める藍色も鮮やかだしカバー裏も稀覯書のような趣がある。

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内容は割と掴み難くて、というかざっくりしたテーマを元に2人が取り留めなく雑談するだけだったりする。
下手打つとグダグダになる構成なんだけど、最後まで読む手が止まらないのはひとえに対談者たちの知性の高さによるでしょう。頭の良い人の話は面白い。
不思議な読後感だな〜と思ったんだけど末尾の解説にある書物の世界への紀行文という説明を読んで納得がいった。
読書という行為のスリリングさ興奮を再認識させてくれる一冊。

はじめに言葉があった。言葉は神と共にあった。言葉は神であった。