おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

倉橋由美子「スミヤキストQの冒険」

あらすじそこは悪夢の島か、はたまたユートピアか。スミヤキ党員Qが工作のために潜り込んだ孤島の感化院の実態は、じつに常軌を逸したものだった。グロテスクな院長やドクトルに抗して、Qのドン・キホーテ的奮闘が始まる。乾いた風刺と奔放な比喩を駆使し…

イアン・ローランド「コールド・リーディング」

コールド・リーディング(Cold reading)とは話術の一つ。外観を観察したり何気ない会話を交わしたりするだけで相手のことを言い当て、相手に「わたしはあなたよりもあなたのことをよく知っている」と信じさせる話術である。「コールド」とは「事前の準備な…

WIRED VOL.20/特集 A.I.(人工知能)

にわかにバズワード化したシンギュラリティに向けての特集ムック本。現状とロードマップがしっかりまとめてあってマイルストーンとなる一冊に仕上がっている。カーツワイル周辺を何年も取り上げムーブメント作ってきただけあって面目躍如と言えます。特異点…

クライヴ・バーカー「ジャクリーン・エス」

あらすじ生ある者を暗黒の世界へ引きずりこむ女、ジャクリーン・エス。裏切られた愛ゆえか、超能力で男の肉体を冷酷無惨に破壊する!恐るべきリアリティで描きあげた血も凍る鮮血のスプラッタ・ホラー。「血の本」第2巻。なんといっても表題作が出色のデキで…

山内マリコ「ここは退屈迎えに来て」

あらすじそばにいても離れていても、私の心はいつも君を呼んでいる―。都会からUターンした30歳、結婚相談所に駆け込む親友同士、売れ残りの男子としぶしぶ寝る23歳、処女喪失に奔走する女子高生…ありふれた地方都市で、どこまでも続く日常を生きる8人の女の…

中原昌也「子猫が読む乱暴者日記」

文字を読むという行為には快楽性があると思うんだよね。あらすじ「俺は生まれながらの乱暴者さ。ガンジーの断食もマザー・テレサの博愛も…俺の暴走を止めることはできない」小説なのかなこれは。どちらかというとロックの歌詞の変形な感じがする。起承転結を…

シャーリイ・ジャクスン「なんでもない一日 」

あらすじ家に出没するネズミを退治するため、罠を買うようにと妻に命じた夫が目にする光景とは…ぞっとする終幕が待ち受ける「ネズミ」。謎の追跡者から逃れようと都市を彷徨う女の姿を描く、美しい悪夢の結晶のごとき一編「逢瀬」。犯罪実話風の発端から、思…

ウンベルト・エーコ「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」

あらすじ紙の本は、電子書籍に駆逐されてしまうのか?書物の歴史が直面している大きな転機について、博覧強記の老練愛書家が縦横無尽に語り合う。まず言っておくのは非常に装丁が綺麗だということ。テーマがテーマなだけに紙の本としての矜持を感じさせる作り…

三田誠広「いちご同盟」

あらすじ高校受験と自分の将来に悩み、死さえ考えた良一。野球部のエース徹也を通じて、不治の病の少女・直美と出会い、生きる勇気を知った。15歳の少年が見つめる愛と友情と死これ、昔、何かの問題集でちょっとだけ読んだんだよね。気になっていたので決着…

小田実「何でも見てやろう」

海外放浪記の端緒として名高い1冊。深夜特急のように定まったルートがある訳ではないのでとっ散らかった印象あるけど十分面白かったです。解説を読んで思ったのは、小田実という人が終戦体験から出発しているということでした。第3世界の貧困を自分の物とし…

フィリップ・K・ディック「ザップ・ガン」

同僚に押し付けられたから頑張って読んだ。 元々ディックは文章技術を問う作家ではないんだけど、これは手癖で書いたとしか思えませんね。オタサーの飲み会レベルの与太噺なので面白いっちゃ面白いけどヤマナシオチナシイミナシです。ザップガン、直訳すると…

アンディ・ウィアー「火星の人」

原題はThe Martian、つまり火星人あらすじ有人火星探査が開始されて3度目のミッションは、猛烈な砂嵐によりわずか6日目にして中止を余儀なくされた。だが、不運はそれだけで終わらない。火星を離脱する寸前、折れたアンテナがクルーのマーク・ワトニーを直撃…

デイヴ・エガーズ「ザ・サークル」

どうしてこんなことにあらすじ世界最高のインターネット・カンパニー、サークル。広くて明るいキャンパス、一流のシェフを揃えた無料のカフェテリア、熱意ある社員たちが生み出す新技術―そこにないものはない。どんなことも可能だ。故郷での退屈な仕事を辞め…

レ・ファニュ「吸血鬼カーミラ」

全般的にダラダラしてました。カーミラは知名度の割に弱そうで僕でも倒せると思いました。

津村記久子「ワーカーズ・ダイジェスト」

あらすじ大阪のデザイン事務所で働く傍ら、副業でライターの仕事をこなす奈加子。ある日、上司の代理の打ち合わせ先で、東京の建設会社に勤める重信と出会う。共に人間関係や仕事の理不尽に振り回され、肉体にも精神にも災難がふりかかる32歳。たった一度会…

論理トレーニング101題

大学入る前に読むように言われたんですけどね、結局卒業から5年後に読み終わりました。内容は充実しているのでちゃんと読むと実力はつきます。しかし読み通すのキツい。。。 なんかの授業のテキストにいいかもね。

町田康「くっすん大黒」

あらすじ三年前、ふと働くのが嫌になって仕事を辞め、毎日酒を飲んでぶらぶらしていたら妻が家を出て行った。誰もいない部屋に転がる不愉快きわまりない金属の大黒、今日こそ捨ててこます―日本にパンクを実在させた町田康が文学の新世紀を切り拓き、作家とし…

田村隆一・長薗安浩「言葉なんかおぼえるんじゃなかった」

最近知ったんですけど翻訳の世界でも有名な人みたいです。生き様がそのまま作品になったようなカッコイイ詩人ですね。タイトルにもなってる「帰途」は出色のでき。言葉なんかおぼえるんじゃなかった言葉のない世界意味が意味にならない世界に生きてたらどん…

クライブ・バーカー「セルロイドの息子」

血の本の3巻目。相変わらず傑作揃いでした。原著の方がカバーデザイン良い気がしますね。“バーディは、怪物を振り落としたい衝動と必死で闘いながら、相手の全身が自分の体にしがみつくのを待った。そして、一気に勝負に出た。そのまま、ごろりと転がったの…

野尻抱介「南極点のピアピア動画」

つうか作者50代なの。。。あらすじ日本の次期月探査計画に関わっていた大学院生・蓮見省一の夢は、彗星が月面に衝突した瞬間に潰え恋人の奈美までが彼のもとを去った。省一はただ、奈美への愛をボーカロイドの小隅レイに歌わせ、ピアピア動画にアップロード…

早川義夫「たましいの場所」

18歳から21歳まで歌を歌っていた。早くおじいさんになろうと思い、25歳、町の本屋の主人として暮らしはじめた。そして二十数年後、無性に歌が歌いたくなり歌手として再出発した早川義夫の代表的エッセイ集。「恋をしていいのだ。恥をかいていいのだ。今を歌…

早川義夫「ぼくは本屋のおやじさん」

22歳(1969年)ロックグループをやめ、小さな書店を始めた著者の奮闘記。置きたい本が入荷しない小さな店のもどかしさ。冊子『読書手帖』を作って客とふれあい、書店主同士で通信を作り交流。再び歌手を始めるまでの22年間で学んだ大切なこととは。文庫化にあ…

井野朋也「新宿駅最後の小さなお店ベルク: 個人店が生き残るには?」

新宿駅15秒の個人カフェ「ベルク」。チェーン店にはない創意工夫と経営と卓抜した味と安さ。帯=奈良美智 解説=柄谷行人、吉田戦車、押野見喜八郎 ベルクは新宿アルタの下ら辺にある喫茶店、というかビアホールで昼から酒飲めるんだよね。ソーセージがとても…

サン・テグジュペリ「人間の土地」

ちょっと訳に癖がありました。あらすじ飛行士としての15年間の経験を基に巧みな筆致で語るエッセイで、極限状態での僚友との友情や、人間らしい生き方とは何か、が主題となっている。飛行士という言葉がロマンを持っていた時代の随筆録。飛行という行為には3…

ヘミングウェイ「老人と海」

あらすじキューバの老漁夫サンチャゴは、長い不漁にもめげず、小舟に乗り、たった一人で出漁する。残りわずかな餌に想像を絶する巨大なカジキマグロがかかった。4日にわたる死闘ののち老人は勝ったが、帰途サメに襲われ、舟にくくりつけた獲物はみるみる食い…

スティーヴン・バクスター「タイム・シップ」

あらすじタイム・マシンで未来をめざした時間航行家は、最初の旅では見なかった驚くべき光景を目にした。地球の自転が操作され、四季の移り変わりや昼夜の変化までも失われ、さらには太陽にまで手が加えられている。そこは最初の旅で訪れたのとはまったく違…

町山智浩「本当はこんな歌」

前から思ってたんだけど、洋楽の日本盤って歌詞対訳のレベルが低いんだよね。ネットで探したほうが正確な意味取れてるのゴロゴロ転がってる。翻訳というのは単語を置き換えていくという行為じゃなく、文化的なバックグラウンドを踏まえて物語を構成するとい…

J・G・バラード「結晶世界」

あらすじアフリカの癩病院副院長であるサンダースは、一人の人妻を追ってマタール港に着いたが、そこからの道は何故か閉鎖されていた。翌日、港に奇妙な水死体があがる。死体の片腕は水晶のように結晶化していた。それは全世界が美しい結晶と化そうとする無…

海猫沢めろん「左巻キ式ラストリゾート」

あらすじ目覚めた僕は記憶を無くし、12人の少女たちが暮らす見知らぬ学園にいた。僕の覚醒と時を同じくし、外部を喪失した学園では、トーチイーターと名乗る犯人による強姦事件が連鎖的に起こる。次々と餌食になる少女たち。犯人は誰なのか、この閉鎖された…

高遠るい「CYNTHIA THE MISSION」

後半になるほどバキに人を殴れば骨が折れるし血も流れる それは女の子でも当たり前のことだ その当たり前の描写が半ばタブー視されているのが日本社会だと思う だからこそ血みどろでズタボロになって闘うシンシア達の姿は鮮烈な印象を放つ少女たちが暴力を選…