おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

野崎まど「バビロン 1 ―女―」

ラノベ調の表紙で損してるなと思った。確かにキャラは立っているが、キャラクター小説とは異なる質感がある。角川ホラーとかで出した方が良かった気がする。表紙可愛いけど。導入部としては申し分ない1巻目なので続きに期待。しかし最終巻は発売延期になって…

平山夢明「ダイナー」

あらすじひょんなことから、プロの殺し屋が集う会員制ダイナーでウェイトレスをする羽目になったオオバカナコ。そこを訪れる客は、みな心に深いトラウマを抱えていた。一筋縄ではいかない凶悪な客ばかりを相手に、カナコは生き延びることができるのか?暗躍す…

シャーリイ・ジャクスン「処刑人」

全ての女はメンヘラである/あった。モラトリアムに多額を費やし、与えられた家庭に不満を垂れ、意味もなく周囲と諍いを起こす。そんな未熟な自意識は少女を破滅の淵へと導いていく。頭が良いジャクスンは女の業を自覚し受け入れていたんだろう。一読しただ…

安部公房「水中都市・デンドロカカリヤ」

あんま人間性を阻害されるとデンドロカカリヤになっちゃうよ!安部公房作品に漂う閉塞感、モノクロな情景を見ると昭和の作家だなと思う。ストーリーテリングは無国籍風なんだけどね。現実の不確かさ、個人の脆弱さには戦後の影が落ちているのかもしれない。…

又吉直樹「火花」

持続するか分からないけど、少なくとも火花を書いた時の又吉直樹は天才だった。芸人が書いたという話題性抜きに素晴らしい本でした。努力が報われない、正しいことが通らない、かもしれない。それは青年期を通して誰もが学ぶことだと思う。あれほどあったは…

レイ・ブラッドベリ「刺青の男」

刺青が語り出すって設定はコンセプト勝ちですな。あらすじ暑い昼下がりにもかかわらず、その男はシャツのボタンを胸元から手首まできっちりとかけていた。彼は、全身に彫った18の刺青を隠していたのだ。夜になり、月光を浴びると刺青の絵は動きだして、18の…

西加奈子「漁港の肉子ちゃん」

あらすじ男にだまされた母・肉子ちゃんと一緒に、流れ着いた北の町。肉子ちゃんは漁港の焼肉屋で働いている。太っていて不細工で、明るい―キクりんは、そんなお母さんが最近少し恥ずかしい。ちゃんとした大人なんて一人もいない。それでもみんな生きている。…

杉浦日向子「百物語」

特に怖くはないあらすじ江戸の時代に生きた魑魅魍魎たちと人間の、滑稽でいとおしい姿。懐かしき恐怖を怪異譚集の形をかりて漫画で描いたあやかしの物語。杉浦日向子はストーリーというより空気を描く。この作品世界が息づいている感覚は、近年だと森美夏に…

高野秀行「未来国家ブータン」

あらすじ「雪男がいるんですよ」。現地研究者の言葉で迷わず著者はブータンへ飛んだ。政府公認のもと、生物資源探査と称して未確認生命体の取材をするうちに見えてきたのは、伝統的な知恵や信仰と最先端の環境・人権優先主義がミックスされた未来国家だった…

下園壮太「自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れを取る技術」

精神的マッチョになろうと思って読んで見ました。要約すると「精神活動もエネルギーを消費するから休んだり計画建ててコントロールしよう」ということになります。メンタルの問題は自分でも把握しづらいため、こうした本を読んで客観視することが大切だと思…

カラマーゾフの兄弟を読み終わって

重厚長大という前評判に気後れしたものの、読んでみるとめっちゃエモかったです。ドストエフスキーはちゃんとエンタメしてるのが良い。2部構想で未完なのでストーリーの寓意が判然としきらないんですけど、以下私見。・ストーリーラインは①ミーチャの受難②イ…

ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟〈下〉」

えっここで終わるの。。。

ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟〈中〉」

アリョーシャ「くっさw信仰やめるわ」

DEATH NOTE Light up the NEW world

割と原作の世界観が好きなので読んでみました。あの後、世界はどうなったのかしらと気になっていたからです。うんこでした。以下うんこ解説。・月とLは精子バンクのドナーだったのか遺伝子をばら撒いています。ここ、重要な設定なのに説明がないのでよく分か…

ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟〈上〉」

上巻読み終えるのに1ヶ月かかりました。金原ひとみは4ヶ月かかったそうなので健闘と言える、かもしれない。しらない。登場人物紹介に終始する巻なので世間で絶賛される所以はまだ分かりません。きっとここで張られた伏線が活きるのでしょう。中下に期待。

酉島伝法『皆勤の徒』

通勤中に読むには色んな意味でしんどかった…家畜人ヤプーとかあんな感じ。解説読むまで何が起きてるか分からんかったわ。異形SFの怪作!”外回りはそれぞれが頭取という肩書きを持っており、従業者たちの首を鋭利な歯舌で切断して、結球させた通信葉に生首を…

山本周五郎「青べか物語」

箱庭世界観あらすじうらぶれた漁師町浦粕に住みついた“私"の眼を通して、独特の狡猾さ、愉快さ、質朴さをもつ住人たちの生活ぶりを巧みな筆で捉える。一つの世界の構築度では指輪物語に比肩するのでは。あるいはゼルダかもしれない。他人の妻を寝取って悪び…

ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄(上)」

やっと上巻読み終わりました。僕は進化が遅れているのかもしれない…ひたすら事例挙げて論証していくので長い長い。有意であることを証明するために必要なプロセスなんでしょうけど主張は自明なので省いちゃって欲しいです。作者が知性派の原始人みたいな風貌…

ホイチョイ・プロダクションズ「新東京いい店やれる店 」

とても勉強になりました。仮に色恋を抜きにしても、大切な歓待をセッティングする際に、いい年した大人が和民しか知らないというのは情けが無さすぎると思いませんか。本書はバブルの仕掛け人ホイチョイ・プロダクションズの手によるだけあって東京という巨…

吉野源三郎「君たちはどう生きるか」

岩波少年文庫の創設者、吉野源三郎による有名な道徳本。前々からタイトルが気になっていたので読んでみました。これちょうど第2次大戦前夜に発表されていて、閉塞していく全体主義社会の中で個の倫理を失うなとのメッセージ性が強い。君たちとは即ち読者たる…

立川談春「赤めだか」

今まで落語における人情咄・怪談咄の位置付けを掴みかねていたんだけど、作中で談志の言葉を借りて「落語とは業の肯定」と言い切るのを見て初めて納得いった。笑わせるだけが落語ではないのだ。また文庫版の装丁が素晴らしくて、人間の弱さ悲しさ可笑しさを…

クライヴ・バーカー「ラスト・ショウ」

血の本最終巻。絶版になっているのをこつこつと1冊ずつ入手しては足かけ4年読んでいたので感慨深いものがある。改めて驚かされるのはSFからスパイ活劇までに渡るバリエーションの豊富さと外れのなさでした。この後のバーカーはヘルレイザーなど映画方面での…

伊坂幸太郎「仙台ぐらし」

伊坂幸太郎が仙台のローカル紙で連載してたコラムのまとめ。伊坂節というか、肩の力が抜けた話ばかり収録されています。頭の良い人間のエッセイはテーマが無くても読ませるものがある。

梶井基次郎「檸檬」

色んな版元から出てるんだけど(青空文庫でも読めます)、こっちの表紙が良かったので買っちゃいました。意外と読みにくい気がします。文章を練りすぎてませんかね?それは兎も角、表題作・「桜の樹の下には」と色彩感覚が鮮やかな作家であるな〜と思います…

クライヴ・バーカー「ゴースト・モーテル」

血の本4作目。自分の手が勝手に動いて金玉を握りつぶす話が怖かったです。

ジョナサン・サフラン・フォア 「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」

911をモチーフにしてるけど、もっと普遍的な人間の悲しみを描いた作品でした。物語に沿って挿入される写真だとか、視覚に訴える工夫が印象的。混乱した登場人物による乱れた語り口など、言語化できない感情を描写することに主眼が置かれています。 だからこ…

ジャック・ケルアック「オン・ザ・ロード」

ビートジェネレーションのバイブルとして愛される名著。小説とも散文詩とも取れる独特の言語感覚が魅力的でした。ビートって何なのと聞かれてもこーゆーのだよと言うしかない。旧題の「路上」も良かったんだけど、原文の「On the Road」は複数の意味がかけら…

フレドリック・ブラウン「さあ、気ちがいになりなさい」

古き良きSFでした。すこしふしぎ。どことなく星新一なフィーリングがあるのは星先生が翻訳したからだけでなく、星先生自身も影響受けたということでしょう。・電獣ヴァヴェリの叙情性・帽子の手品の不穏さ・表題作のスケールと懐の深さを感じます。他の作品…

法条遥「リライト」

あらすじ過去は変わらないはずだった―1992年夏、未来から来たという保彦と出会った中学2年の美雪は、旧校舎崩壊事故から彼を救うため10年後へ跳んだ。2002年夏、作家となった美雪はその経験を元に小説を上梓する。彼と過ごした夏、時を超える薬、突然の別れ……

倉橋由美子「スミヤキストQの冒険」

あらすじそこは悪夢の島か、はたまたユートピアか。スミヤキ党員Qが工作のために潜り込んだ孤島の感化院の実態は、じつに常軌を逸したものだった。グロテスクな院長やドクトルに抗して、Qのドン・キホーテ的奮闘が始まる。乾いた風刺と奔放な比喩を駆使し…

イアン・ローランド「コールド・リーディング」

コールド・リーディング(Cold reading)とは話術の一つ。外観を観察したり何気ない会話を交わしたりするだけで相手のことを言い当て、相手に「わたしはあなたよりもあなたのことをよく知っている」と信じさせる話術である。「コールド」とは「事前の準備な…

WIRED VOL.20/特集 A.I.(人工知能)

にわかにバズワード化したシンギュラリティに向けての特集ムック本。現状とロードマップがしっかりまとめてあってマイルストーンとなる一冊に仕上がっている。カーツワイル周辺を何年も取り上げムーブメント作ってきただけあって面目躍如と言えます。特異点…

クライヴ・バーカー「ジャクリーン・エス」

あらすじ生ある者を暗黒の世界へ引きずりこむ女、ジャクリーン・エス。裏切られた愛ゆえか、超能力で男の肉体を冷酷無惨に破壊する!恐るべきリアリティで描きあげた血も凍る鮮血のスプラッタ・ホラー。「血の本」第2巻。なんといっても表題作が出色のデキで…

山内マリコ「ここは退屈迎えに来て」

あらすじそばにいても離れていても、私の心はいつも君を呼んでいる―。都会からUターンした30歳、結婚相談所に駆け込む親友同士、売れ残りの男子としぶしぶ寝る23歳、処女喪失に奔走する女子高生…ありふれた地方都市で、どこまでも続く日常を生きる8人の女の…

中原昌也「子猫が読む乱暴者日記」

文字を読むという行為には快楽性があると思うんだよね。あらすじ「俺は生まれながらの乱暴者さ。ガンジーの断食もマザー・テレサの博愛も…俺の暴走を止めることはできない」小説なのかなこれは。どちらかというとロックの歌詞の変形な感じがする。起承転結を…

シャーリイ・ジャクスン「なんでもない一日 」

あらすじ家に出没するネズミを退治するため、罠を買うようにと妻に命じた夫が目にする光景とは…ぞっとする終幕が待ち受ける「ネズミ」。謎の追跡者から逃れようと都市を彷徨う女の姿を描く、美しい悪夢の結晶のごとき一編「逢瀬」。犯罪実話風の発端から、思…

ウンベルト・エーコ「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」

あらすじ紙の本は、電子書籍に駆逐されてしまうのか?書物の歴史が直面している大きな転機について、博覧強記の老練愛書家が縦横無尽に語り合う。まず言っておくのは非常に装丁が綺麗だということ。テーマがテーマなだけに紙の本としての矜持を感じさせる作り…

三田誠広「いちご同盟」

あらすじ高校受験と自分の将来に悩み、死さえ考えた良一。野球部のエース徹也を通じて、不治の病の少女・直美と出会い、生きる勇気を知った。15歳の少年が見つめる愛と友情と死これ、昔、何かの問題集でちょっとだけ読んだんだよね。気になっていたので決着…

小田実「何でも見てやろう」

海外放浪記の端緒として名高い1冊。深夜特急のように定まったルートがある訳ではないのでとっ散らかった印象あるけど十分面白かったです。解説を読んで思ったのは、小田実という人が終戦体験から出発しているということでした。第3世界の貧困を自分の物とし…

フィリップ・K・ディック「ザップ・ガン」

同僚に押し付けられたから頑張って読んだ。 元々ディックは文章技術を問う作家ではないんだけど、これは手癖で書いたとしか思えませんね。オタサーの飲み会レベルの与太噺なので面白いっちゃ面白いけどヤマナシオチナシイミナシです。ザップガン、直訳すると…

アンディ・ウィアー「火星の人」

原題はThe Martian、つまり火星人あらすじ有人火星探査が開始されて3度目のミッションは、猛烈な砂嵐によりわずか6日目にして中止を余儀なくされた。だが、不運はそれだけで終わらない。火星を離脱する寸前、折れたアンテナがクルーのマーク・ワトニーを直撃…

デイヴ・エガーズ「ザ・サークル」

どうしてこんなことにあらすじ世界最高のインターネット・カンパニー、サークル。広くて明るいキャンパス、一流のシェフを揃えた無料のカフェテリア、熱意ある社員たちが生み出す新技術―そこにないものはない。どんなことも可能だ。故郷での退屈な仕事を辞め…

レ・ファニュ「吸血鬼カーミラ」

全般的にダラダラしてました。カーミラは知名度の割に弱そうで僕でも倒せると思いました。

津村記久子「ワーカーズ・ダイジェスト」

あらすじ大阪のデザイン事務所で働く傍ら、副業でライターの仕事をこなす奈加子。ある日、上司の代理の打ち合わせ先で、東京の建設会社に勤める重信と出会う。共に人間関係や仕事の理不尽に振り回され、肉体にも精神にも災難がふりかかる32歳。たった一度会…

論理トレーニング101題

大学入る前に読むように言われたんですけどね、結局卒業から5年後に読み終わりました。内容は充実しているのでちゃんと読むと実力はつきます。しかし読み通すのキツい。。。 なんかの授業のテキストにいいかもね。

町田康「くっすん大黒」

あらすじ三年前、ふと働くのが嫌になって仕事を辞め、毎日酒を飲んでぶらぶらしていたら妻が家を出て行った。誰もいない部屋に転がる不愉快きわまりない金属の大黒、今日こそ捨ててこます―日本にパンクを実在させた町田康が文学の新世紀を切り拓き、作家とし…

田村隆一・長薗安浩「言葉なんかおぼえるんじゃなかった」

最近知ったんですけど翻訳の世界でも有名な人みたいです。生き様がそのまま作品になったようなカッコイイ詩人ですね。タイトルにもなってる「帰途」は出色のでき。言葉なんかおぼえるんじゃなかった言葉のない世界意味が意味にならない世界に生きてたらどん…

クライブ・バーカー「セルロイドの息子」

血の本の3巻目。相変わらず傑作揃いでした。原著の方がカバーデザイン良い気がしますね。“バーディは、怪物を振り落としたい衝動と必死で闘いながら、相手の全身が自分の体にしがみつくのを待った。そして、一気に勝負に出た。そのまま、ごろりと転がったの…

野尻抱介「南極点のピアピア動画」

つうか作者50代なの。。。あらすじ日本の次期月探査計画に関わっていた大学院生・蓮見省一の夢は、彗星が月面に衝突した瞬間に潰え恋人の奈美までが彼のもとを去った。省一はただ、奈美への愛をボーカロイドの小隅レイに歌わせ、ピアピア動画にアップロード…

早川義夫「たましいの場所」

18歳から21歳まで歌を歌っていた。早くおじいさんになろうと思い、25歳、町の本屋の主人として暮らしはじめた。そして二十数年後、無性に歌が歌いたくなり歌手として再出発した早川義夫の代表的エッセイ集。「恋をしていいのだ。恥をかいていいのだ。今を歌…