おれん家の本棚

音楽・映画・書籍なんかのテキトーな感想。フツーにネタバレする。

チャールズ・ブコウスキー「パルプ」



パルプ小説のパロディとして書かれた本作。
B級にB級を重ねているので訳が分からない筋立てとなっている。
それもブコウスキーらしさというか、ブコウスキーのグダグダさが好きな人には堪らないのかもしれない。
僕はどうでも良かったです。

野崎まど「バビロン3 ―終―」



無知の悲しさゆえ、タイトルが大淫婦バビロンから採られていると初めて知った3巻。
新域を悪徳都市バビロンになぞらえる趣旨もありそう。
今回は聖書からの引用が多用されたことで物語の方向性というか作者の意図が見えてきた。
元々曲世の能力には宗教的な感じがあったのだけど、善・悪の相克を論じるにあたって聖書をベースにしたのが本作なんでしょう。
次巻ではアポカリプスまで行きそう。

カズオ イシグロ「夜想曲集」



全体的にインパクトが弱かった。
「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」と副題にあるように、人生の倦怠と黄昏を迎えつつある男女のうだつの上がらないドラマが繰り広げられる。
一冊通じて音楽にある種の慰めを見出す底層があるけど今ひとつ必然性が足りてない。
どことなくララランドを思わせる「降っても晴れても」がロマンチックかな。あのおっさんおばさんバージョン。

ジュノ・ディアス「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」

最後のオチが釈然としなかったんだけど↓のAmazonレビューを読んで意味が分かった。
シャッハさん。。。
https://www.amazon.co.jp/review/R35ZP6R83YHJDX/ref=cm_cr_srp_d_rdp_perm?ie=UTF8&ASIN=4105900897

開高健「 日本三文オペラ」

小説というかルポっぽい。



ナニワ金融道アパッチ族のことを取り上げていたので読んでみました。
今も大阪に残る猥雑さが戦後のこの辺りから続く系譜にあると得心できた。
醜くとも意地汚くても生きなければいけない哀しみが胸に伝わってくる。
人間賛歌ではなく人間哀歌ですなこりゃ。

野崎まど「バビロン 1 ―女―」



ラノベ調の表紙で損してるなと思った。
確かにキャラは立っているが、キャラクター小説とは異なる質感がある。
角川ホラーとかで出した方が良かった気がする。表紙可愛いけど。
導入部としては申し分ない1巻目なので続きに期待。しかし最終巻は発売延期になっているのであった。